魔王のオモチャ
「や、ヤバイ……っ!!
シャーナたちが来た!!」
「勇者様!
このままだと、私の張った結界が壊されます……っ!!」
「マジかよ……
トヨ、早く魔界に戻れ
俺らは、シャーナたちを止めるから!!」
「ちょっ、待て……!!
お前、や…やめろーーー!!」
勇者は、俺にそう言って
俺の腕を離すと、マーリたちがいる外に突き飛ばした
「うわあぁぁぁあ……っ!!」
俺は、高い建物から落とされ
このままだと地面に激突しそうになっていた
馬鹿野郎……っっ!!
俺は、今は人間なんだ!!
空を飛べるはずないだろ……っっ!!
うぁぁぁあ……っ!!
死ぬ……っ!!
『魔王……っ!!
大丈夫……!?』
「………っ…ギーラ…
はぁ…助かった……っ」
間一髪で、ギーラが俺の身体を抱き
俺は死ななかった
「クソッ……勇者のヤツ!!
マジ殺してやるからな……っ!!」
『魔王、今はこの場を引くよ』
「お、おい……っ!!」
ギーラは、冷静にそう言って
俺の身体を抱きながら、魔界にワープした