魔王のオモチャ





〜 光 視点 〜









「どういうことか説明してもらえるわよね?勇者」





「せ、説明するから!するから…!
剣をおさめて……っ!」










シャーナは、俺とニーナを正座させ
怖い顔をしながら俺の首に剣を近づけていた










怖ぇよ……っ!

シャーナ、怖い!!










俺は、シャーナに全てを話した

シャーナは、俺の話しに耳を傾けていてくれたが表情は変わらず怖いままだった










「それで?
あなたは、魔王をどうするつもり?

あなたは勇者なのよ
魔王を逃がして、この世界の人たちは
それで納得すると思ってるの?」






「思ってない……
思ってないけど……

トヨは、今は人間なんだ……
俺は、勇者だから……


トヨを倒すことは出来ないよ……」










分かっている

これは、逃げだ



トヨを倒したくないから、俺は……

言い訳をしてるだけだって……



でも、俺は……

トヨを倒すことは出来ないよ……











「………………………分かったわ…
あなたがそう言うなら、私はもう何も言わない」





「シャーナ………」





「今の魔王なら、国民は魔王の魅力で虜にされるから問題はないわ

納得しないなら……
女王様の罪を暴き、国民に知らせる


そうすれば、国民は魔王を認め
女王様の代わりに、魔王がこの国の王になるでしょうね」





「えっ……?しゃ、シャーナ?」











シャーナ、一体……

ど、どうしたんだ……?



あんなに魔王を嫌っていたのに……

こんな提案を出してくれるなんて……











「どうする……?勇者………」





「……………シャーナは、いいのか…?」





「…………………はっきり言ったら…
私は嫌よ

私は、あなたをこの国の王にしたかった
英雄にしたかったの……


でも、そんなこと……
あなたは望まないのも知っているから……」





「………………シャーナ……」




「やりましょう、勇者
魔王を王にして、この国の人たちを救って……」




「…………ありがとう…シャーナ」











そうして俺らは、トヨをこの国の王にする作戦を実行した






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