魔王のオモチャ
『そんなことさせるわけないでしょう!!』
『そんなのさせるわけねぇだろ!!』
『は、はあ!?
なんでだよ!!』
邪魔するなよ、クズ!!
『そんなことしたら……
魔王は、あんたの眷属になっちゃうじゃない!!』
『魔王は絶対に渡さねぇ!!
魔王は俺のもんだ!!』
チッ。
気づきやがったか
うぜぇな
馬鹿なのに、こういうときは頭働くんだから
「はぁ………お前らな…
俺は、誰のものにもなるつもりはねぇ
だから、てめぇらの血は絶対に飲まねぇ」
『『『魔王………』』』
やっぱり、そうだよね……
魔王は僕たちの血は飲まないよね……
魔王には、僕のものになってほしいけど…
無理矢理、血を飲ませることはしないよ
だって、そんなことしたら……
魔王に嫌われちゃうからね……
僕らは、魔王から離れて
悲しげな表情をして魔王を見つめていた
「お前らの血は飲まねぇよ
だって、そんなことしたら……
お前らは、俺のもんじゃなくなるだろ?」
『『『えっ……?ま、魔王…?』』』
魔王は、僕たちの側に来ると……
一人ずつ頭を撫でて、ニコッと笑って言った
えっ……?ま、魔王……
それって、どういう意味……?
も、もしかして……
僕らが魔王に血を与えたら……
実質、僕らは魔王を手に入れたけど……
魔王からみれば
僕らは、魔王の眷属じゃなくなり
魔王のものじゃなくなったってことだよね……?
そう言っているの?魔王……
「あー、どうすっかな〜
人間のままいたら、人間からも悪魔からも狙われるし
人間の姿の俺、良いこと全くねぇじゃん
仕方ねぇ……
オヤジに頼むか……」
魔王は、そう言って
部屋から出て言った
え?
オヤジに頼むって……
え?う、嘘でしょう…
魔王……っ!!