魔王のオモチャ
新しい仲間
弓使い
〜 光 視点 〜
あれから数ヶ月が経ち
俺はある程度、剣を使いこなせるようになった
シャーナの教え方は上手かったが…
厳しすぎて何度泣きそうになったか…
「勇者、今からある街に行って
そこである人をスカウトするよ」
シャーナはいつもどおり無表情のまま俺に言ってきた
「だから、勇者ってやめろって言ってんだろ
光って呼んでくれよ…」
シャーナは俺のことを勇者という
だから、他の街なんか行くと
すぐに街の人たちが俺に近づいてきて、魔王を倒してください!とか勇者様!とか言ってくるから困る
俺が勇者なのは分かっているが…
変なプレッシャーをかけるのもあるけど
勇者様とか言われるのは、なんか恥ずかしい…!
だから、シャーナに光って呼んでといつも言っているが…
「勇者は、勇者でしょう?
名前なんて必要ないじゃない」
……と無表情のまま言われるから俺は何も言えなくなる
シャーナの無表情になかなか慣れない俺は、少しは笑って欲しいと思っていた
絶対、シャーナの笑顔可愛いと思うんだけどな…