魔王のオモチャ
『あ、あんた…まさか勇者か⁉︎』
「えぇ…っ⁉︎ あ、はい…」
男は俺の顔をじっと見てくると
いきなり大声を出して俺を指さしてきた
な、なんでバレた…⁉︎
シャーナはいないし…
俺が勇者だって分かるはずない…
『女王様からの通達で
あんたの顔が貼ってある紙が届いたんだよ!
あんたは勇者だから
手厚くしろって!』
「えぇーー⁉︎」
女王様…
あんた、なんてことしてくれたんだ…!
『俺が世界で一番の弓使いだよ!
俺も仲間に入れてくれよ!』
「えっ⁉︎本当ですか⁉︎」
この人が世界で一番の弓使いだったのか…
しかも、自分から仲間に入れてくれなんて言うなんて…
手間が省けたな…
「本当に仲間になってくれるんですか⁉︎」
『あぁ!勇者と一緒に魔王を倒せるなら
俺はどこまでも、あんたについていくよ!』
よかった…!
仲間になってくれて…
断れるかと思ってたのに
あっさりOKもらっちゃったな…
あっ、そうだシャーナに見つけたって伝えないと…
『ちょっと待った!』
いきなり、大きな声が聞こえてきて
俺は声のする方を見た