魔王のオモチャ





『そいつは、偽物だ!』








声は男の人で、この人も背中に弓を担いでいた









「に、偽物…?」









ど、どういうことだ…?










『勇者様、危ないとこでしたね…
コイツは、一番の弓使いではないです!

俺が世界で一番の弓使いです!』







「えっ…えぇーーー⁉︎」











もう一人の男は、俺に近づいてくると

さっきまで話していたおっさんを睨みつけ偽物だと言ってきた










ちょ、ちょっと待て…

どういうことだ⁉︎










『う、嘘をつくな!
俺が世界で一番の弓使いだ!』





『勇者様!信じてください!
俺が世界で一番の弓使いです!』










二人は俺の前で自分が本当の弓使いだと言い争いをしていた











「ちょ、ちょっと待ってください!

どっちが本当の一番の弓使いなんですか⁉︎」







『俺だ』 『俺です!』










二人はほぼ同時に自分だと言ってきた










ど、どうなってんだ…⁉︎

弓使いは二人いたのか⁉︎



そんな馬鹿な!

世界で一番って言ってんだぞ⁉︎




一番だぞ!

二人もいるわけがない!





なら、どっちかが嘘をついているってことだな…




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