魔王のオモチャ
『勇者を助けて……
自分が魔王に好かれようなんてズルいぞ!!』
『そうよ、そうよ
下級悪魔が勇者を殺そうとしてて
それで僕が勇者を助けました!
魔王の楽しみがなくなっちゃうとこだったよ
僕、偉いよね☆
とか言って、魔王に一人褒められるつもりでしょう!!』
『いやいや!!
僕、そんなキャラじゃないし!!
ま、魔王に褒められようだなんて…
そ、そんなこと…』
チッ。
その手があったか
『俺が行く
お前らはここでじっとしていろ』
『私が行くわよ!
ブランに任せられないわ!!』
『もぉ、二人とも喧嘩しないでよ
仕方ない、ここは間をとって
僕が行くよ』
『『行かせるか…っ!!』』
『ぐへっ…!!
もお、何すんだよ!!
僕が二人の代わりに行ってあげるって言ってるだろ!!』
『いつもお前にしてもらってるから
今日は休んでおけよ
俺が行ってやるから』
『私が行ってあげる!!
私の方が二人にいつもお世話になってるし…!!』
僕らは誰が勇者を助けるかで争いをしていた
悪魔が勇者を助けるなんて普通どう考えてもおかしいけど…
これは魔王に好かれるチャンスだから…
勇者を助けるなんて嫌だけど仕方ない!