魔王のオモチャ






『勇者を助けて……

自分が魔王に好かれようなんてズルいぞ!!』







『そうよ、そうよ

下級悪魔が勇者を殺そうとしてて
それで僕が勇者を助けました!

魔王の楽しみがなくなっちゃうとこだったよ


僕、偉いよね☆

とか言って、魔王に一人褒められるつもりでしょう!!』







『いやいや!!
僕、そんなキャラじゃないし!!

ま、魔王に褒められようだなんて…
そ、そんなこと…』










チッ。

その手があったか










『俺が行く
お前らはここでじっとしていろ』






『私が行くわよ!
ブランに任せられないわ!!』









『もぉ、二人とも喧嘩しないでよ

仕方ない、ここは間をとって
僕が行くよ』









『『行かせるか…っ!!』』








『ぐへっ…!!

もお、何すんだよ!!
僕が二人の代わりに行ってあげるって言ってるだろ!!』









『いつもお前にしてもらってるから
今日は休んでおけよ

俺が行ってやるから』








『私が行ってあげる!!
私の方が二人にいつもお世話になってるし…!!』










僕らは誰が勇者を助けるかで争いをしていた



悪魔が勇者を助けるなんて普通どう考えてもおかしいけど…

これは魔王に好かれるチャンスだから…
勇者を助けるなんて嫌だけど仕方ない!




< 83 / 226 >

この作品をシェア

pagetop