天高く、空へ・・・
哲がバタートーストを食べながら、リモコンを手に取りテレビのスイッチを入れた。
たまたま付けたニュース番組は、異常気象の事が取り上げられている。
三人はテレビの映像に釘付けになっていた。

誰かがたまたま撮影した、青空に突然的に暗雲が広がるビデオ映像が流れ出す。
たちまちに青空の部分がなくなり、暗雲の中に現れた白い光が線のように地上に降り注いでいる。
突然に画面がピカッと光るとビデオ映像はそこで途切れた。
これが身近で起こっていると考えると、身が凍り付くような映像だった。

「すごいですね」

「雷かな・・・」

「さぁ・・・」


珠実のその言葉で、この話題は終わった。

AM7:35

珠実は間宮から弁当を受け取り家を出た。
外はザーザー降り続く雨とテレビで見たような黒い空が広がっている。
傘をさしていても、珠実のスカートは濡れていた。
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