【短23P】 オレンジ


『穂花ちゃん、顔オレンジだよ。』



今。声が聞こえた…。
小さい男の子の。


あ、あぁ…思い出した。



あの時か…

なんでもっとおぼえださなかったの。




「思い出した…颯太ぁ…私っ。」



私は目から雫がとまらなかった。
目の前にいる人の存在に。


あの頃…ちゃんと覚えてた彼。



「ったく、おせェよ。」


ニカッと笑う彼。
もう、私の視界には彼しか入らなかった。


もしかしたら泣いてる私をクラスにいる人が見てるかもしれない。

でも、どうでもいい。


颯太しか今は目に入らないから
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