【短23P】 オレンジ
「ごめん。僕、穂花ちゃんが泣くの見たくないんだ。」
しょんぼりする颯太くん。
そんな顔見たくない…。
わたし。
颯太くんの笑った顔が見たいの!
「ふぇ、うっ…うぇぇえん…」
私はついついなき出した。
ちいさいころの精一杯の涙。
「泣かないで、穂花ちゃん。
僕、これからは穂花ちゃんを泣かさない。約束する。」
「…っ、うん。」
「そ、それと…えと…。うー…んと…………その。」
私はじっくり、と真剣に颯太の顔をみる。
「……っ、はは、あははっ!」
つい、笑っちゃた。
「どうしたの?」
「颯太くん、お顔がオレンジ!」
夕日に照らされた颯太くんがオレンジ色に染められててそれがおかしくて私は笑う。