【短23P】 オレンジ
「穂花ちゃん、顔オレンジ。」
ぷっ、と笑う颯太くん。
キュン。
そう、私が見たかったのは…この
颯太くんの笑顔なんだから。
「颯太くんの笑顔が好き。」
「僕は穂花ちゃんの笑顔が好き。」
「ずっとみていたよ…」
「僕も…。約束しようよ。」
「やくそく…?」
「僕はまた、穂花ちゃんを迎えに行くから…精一杯の笑顔を見せて?」
「うんっ、みせる!」
「それまで穂花ちゃんじゃないひとに笑顔見せないから…だから、おねがい。
また、会ったら…僕のお嫁さんになってください!」
「なるっ、なるよ!」
あの時、仲良し握手をした。
夕日に照らされた手はオレンジ色で…それがまたおかしくて笑っちゃった。
颯太の笑顔は、オレンジ───。