【短23P】 オレンジ


蒸し暑い長々しい廊下を抜け、職員室に入った。


「お前らどうしたんや?」



担任の高田がわたし達に気づき、こっちにこいと、手招きされた。



「先生、暑い。」


「そうやないやん、穂乃花。
先生、今日の補修で一人も先生来ないんやけど。」


先生は髪のない頭をポリポリかくと、「うーん。」と悩んだ。


なんで悩んでるんだろ。


「どうしたん?」と私は不思議そうに聞いた、


「ここだけの話、俺を含めて先生らみんな忙しいんや。
やから、補習組の先生らも、行ってへんのやろなぁ。」


職員室を見渡すと、みんなパソコンとにらめっこしていた。


忙しそう。
これなら、補習どころじゃないわ。。


「そうなんですか…、お疲れ様です。」



わたし達は深く一礼した。




「なんて嬉しいこというてくれるんや…。

よし、プリントあげよか。」
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