【短23P】 オレンジ


「で…名前は?」

「颯汰。」

「そうた…颯汰!」


さわやかな名前は彼の笑顔にピッタリだ。

「なんや、二回も呼びやがって」

「べ、別に?」

「お前は?名前。」

「穂乃香。」

「ほのか、か。似合わねぇな。」

「なっ、颯汰の方が似合わないよ。」

向きになり、嘘をついた。

とっても彼ににあってるのに。

「チッ、聞きなれたっつーの。」

そう言うと、スタスタ教室のドアに歩き出す颯汰。

聞きなれた?
というか。

なんか悪いこと言っちゃった?

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