同・棲・同・盟!
「お客さん。これ以上はもう車では行けないですよ」
「・・・うそ。これ・・」

アパートの周囲には、野次馬の人だかりと消防車が見えた。
チカチカと点滅している消防車のサイレンが、慌ててタクシーから降りた私の目に飛び込んでくる。

「待て大島!」
「アパートが・・・」

呆然としながら、煙を上げている自宅アパートの方へヨロヨロと歩き出した私を、日田さんが腕を取って引き留めた。

「危ないから今はまだ近づくな」
「でも、でも・・お隣の山本さんとか、木下さんとか・・・」
「大丈夫。みんな大丈夫だ」
「ホント・・・?」

涙目で見上げた私を安心させるように、日田さんは細い目をもっと細めて微笑んでくれた。
そして、私の腕をしっかりと掴んでくれたまま、「すいません。通してもらえませんか」と言いながら、人だかりをかき分けて歩いてくれた。

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