同・棲・同・盟!
・・・そうか。
日田さんは私のことを、12年下の部下としか見てないんだ。

って、それは分かってたよ?
分かってたけど・・・。

うちが火事になって、住処がなくなったとき、手を差し伸べてくれた日田さんは、私のことを、もしかしたら少しは・・・。
だから日田さんのお宅に同居させてもらっているんだと・・・思ってたんだ・・・私。

私は深いため息を一つついた。

日田さんが手を差し伸べてくれたのは、その場に居合わせた災難、プラス、エリート上司として、おっちょこちょいな部下を放っておけないという優しさ故のアクションに過ぎなかったのに。
私ってば、かなりおバカな自惚れ天狗になってた。
日田さんにはもう、一緒にジムに通うくらい仲良くしている彼女がいるんだから。

今日、日田さんのお宅を出よう。

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