同・棲・同・盟!
兄が言ったとおり、夕方7時前に野菜が入った小包を受け取った私は、まず段ボールの中にある野菜たちを愛でながら「来てくれてありがとう」と言った。

そして、それらの野菜を使ったおかずを数品作り、冷ましている間に、とりあえずの荷物をバッグへ詰め込んだ。

・・・16年前、私が10歳のとき、車の事故で両親が他界した。
いつもそばにいてくれた両親が、突然いなくなった怖さ。
そして私はこれからどこに行くのか、誰が私を育ててくれるのか分からない不安。
そんな私を引き取ってくれたのは、当時家を出て県外の大学に行っていた、10年上の兄だった。

兄は大学を止めなかったので、私が引っ越す形になったけど、それは全然構わなかった。
兄だって、お父さんとお母さんを亡くしたのに、悲しんで泣く私をいつも慰めてくれた。
優しい愛情をいっぱい注いで、私を育ててくれた。
私はひとりぼっちじゃないと理解できたのは、そして私の寂しさが軽減されたのは、兄のおかげだ。

でも、私が兄と一緒に暮らすことになったせいで、兄は当時おつき合いしていた彼女さんと別れた。
私がいるから・・・私のせいで。

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