同・棲・同・盟!
・・・これでいいのに。
これが、私の望む状況のはずなのに。

でも・・まさか日田さんが「同居同盟解消」とアッサリ言うなんて・・・思ってなかった。
心のどこかで「行くな。ここにいろ」って言われるって、思って・・・・・・。

どんだけ私は調子に乗った大バカ者だったんだろう。

俯いていた私は、こわばってる顔に精一杯の笑みを貼りつけて顔を上げると、日田さんを見た。
日田さんのハンサムな顔には、何一つ表情が浮かんでいないように見える。
でも、やっと私が出て行くと言ったから、心の中ではホッとしているのかもしれない。

「そ、それでは・・あぁ!私ってば、肝心のお礼をまだ言ってないじゃないの!・・・あの、日田さん。本当にお世話になりました。行くあてがなかった私に手を差し伸べてくれて・・あれこれ良くしてくださって、ありがとうございました」

・・・ペコリと頭を下げたとき、涙が出そうになった。
でも。泣くのは後。
それに、日田さんとは、月曜から金曜の5日間、会社で会えるじゃない。

エリート上司と、おっちょこちょいな部下として。

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