同・棲・同・盟!
「それじゃあ。私、行きますね」
「ああ」

最後だからか。
日田さんはわざわざ玄関まで見送りに来てくれた。

「それじゃあ。行ってきま・・・お世話になりました」
「大島」
「は、はいっ?」
「俺んちの鍵」
「・・・あ!そうだ!お返し・・」
「しなくていい。ちゃんと持っとけよ」
「あ・・・は、い」
「明日から物件探し始めるんだろ?」
「え。あ、はい」
「分かった。じゃあな」
「・・・はぃ」

私が数歩歩いた後、バタンとドアが閉まった音が聞こえた。

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