同・棲・同・盟!
「おまえがこっち来ないと、コップの場所とか分かんねえだろ?」
「あ?・・・ああぁ、そうですよねっ、はいっ、今行きます!」
「ったくおまえは・・・」という日田さんの呟きを聞きながら、私は続きになっているキッチンへ、急いで行った。

「私が、なんですか?」
「・・・ま、こんな状況だからな。いつも以上にすっとぼけててもしょーがないか」

苦笑を浮かべながら、私の頭を優しくポンと叩く日田さんの声は、呆れていると言うより、私がドジだと分かっている、といった感じが強かった。

「だから、今は簡単に言っとくな。コップと皿はここ、カトラリーはこの引き出し。水は冷蔵庫の中にある。コーヒーや紅茶はここ・・カトラリーの下の引き出しにあるから、飲みたくなったらいつでも飲んでいいぞ」
「はいっ」

日田さんは私に説明をしながらグラスにミネラルウォーターを注ぐと、私に手渡した。
「ありがとうございます」と言った私に、日田さんは頷いて応えた。

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