同・棲・同・盟!
「大島」
「はい?」
「家族にはおまえが無事だと連絡しておくか?」
「あ・・・ぁっと、兄夫婦は県外に住んでいるから、うちが火事になったって、まだ知らないと思います。もう夜遅いし、電話して余計な心配をかけたくないから・・・」
「そうだな。明日の午後、おまえんちに戻ってからかけてもいいか。じゃあご両親にも・・・」
「いえっ!あの・・・両親は、私が10歳の時に亡くなったので」
「あ・・・そうだったのか。悪かった・・」
「いえいえ!日田さんは知らなかったんですし・・・。事故、だったんです。それで、当時20歳だった兄が、私を引き取って育ててくれて」
「そうか・・・って、え?大島の兄さんって、おまえより10年上?」
「そうですよ」
「それでも俺より年下だな」
「たった2つじゃないですか。それに私、年下より年上の男性の方が好きですし。あ、これは実年齢じゃなくて、精神年齢がということで・・・ってあれ?もう私ったら、なんでこんな話をしてるのよーっ!!すいません日田さんっ!」と謝る私に、日田さんはクスクス笑いながら、「大島らしいからいい」と言ってくれて・・・。

自分のバカさ加減がすごーく悲しすぎて、私はまた、心の中でシクシク泣いた。

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