同・棲・同・盟!
「おい」
「ふぁいっ!?」
「もう少し右に行け」
「・・・え」
「俺の分のスペース空けろって言ってんだよ」
「お・・・ぉ?」
「俺も眠いんだ。このベッド広いから、一緒に寝ても十分スペースあるだろ?だから俺もここで寝かせてくれ」
「あ・・・ぁ、そうですねっ。ごもっともです、はいっ」

私がいそいそと右に寄った途端、日田さんがベッドに入ってきた。

き、きゃああぁっ!
日田さんが・・・憧れの上司が・・・私の好きな人が、隣に、寝て・・・!!

あぁダメッ!
今度こそ、興奮して眠れない!!

私は、「おやすみなさいっ」と呟くと、日田さんに背を向けて、ギュウっと両目をつぶり、喜びと緊張で体を震わせながら、「寝よう、眠るぞ」と自分に暗示をかけ始めた。

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