同・棲・同・盟!
お昼のピークを少し過ぎた頃、私たちはショッピングモールのフードコートで、ランチを食べた。
私のざるそば代と、日田さんの天そば代くらいは払おうと思っていたのに、それも「俺が払う」と制されてしまった。
それだけじゃなくて、出来上がったざるそばを取りに行ってくれたり、食べ終わった後、お店にお皿を返すのも、全部日田さんがしてくれて。
私がしたのは、お冷を注いだことくらい。

こんな事情じゃなければ、日田さんとデートしているような気がして、嬉しさのあまり舞い上がってしまうところだけど・・・。
日田さんの優しさとふるまいは、上司だからと言うより、大人、かつ男の余裕から来ているように思う。

だから、舞い上がっちゃダメなことはもちろん、日田さんのことは、好きな人というより、私の上司だということをよくわきまえて接さないと・・・。

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