同・棲・同・盟!
お店に入った日田さんは、最初顔を左右にキョロキョロ動かして、お目当ての品と思われる枕を見つけると、その方向へズンズン歩き出した。

「日田さーん」
「ん?」
「枕、欲しいんですか?」
「ああ。俺、枕ないと眠れないタイプなんだ」
「・・・あ!だから昨夜はあまり眠れなかったんですか!?」
「それもあるが・・・まぁそうだな。おまえも枕使うだろ?」
「え」

ええ。昨夜は枕を日田さんに見立てて、抱き枕して寝てたはずです。
なんて恥ずかしすぎること、もちろん私は言わなかった!

私は、枕がなくてもいいけど、あった方が眠れるので(抱き枕にするためじゃなくて!)、「はい」と返事をした。

そういうわけで、日田さんは、すでに持っていた枕と同じのを一つ買った。

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