同・棲・同・盟!
「うん、私は大丈夫。その時はちょうど出かけてたから。でも・・アルバムは・・・あと、お兄ちゃんが贈ってくれてた野菜も。ごめんね」
「なんでおまえが謝るんだよ。そりゃあアルバムは残念だが、俺の分がまだあるし。野菜だってまた送るから。何よりな、そういう物たちより、おまえが無事だという事の方が、俺としては絶対的に大事だ!」

兄らしい力説が嬉しくて、また私は泣きそうになってしまった。

「ぅん。ありがと・・」
「で?おまえ今、どこにいるんだ?もうアパートに戻ってんのか?」
「え。あぁそうそう。そのこともあってね、お兄ちゃんに電話しておこうと思って。あのぅ、アパートはまだ住める状態じゃないから。それで、昨日からそのぅ・・・たまたま居合わせていた上司のお宅に、泊めさせてもらってて」
「上司、か」

思ったとおり、兄は「上司」というキーワードに素早く反応を示した。

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