モデル姉さんのファンは弟くん
「だから!僕も何度も言ってますけど、モデルはやりません!」
こいつみたいな、綺麗なお姉ちゃんを汚していくような虫を寄り付かないようにするのが僕の仕事。
それなのにモデルなんてやったら、虫除けが疎かになっちゃうでしょ。
「ふははっ、おもしろ〜。なに、レイカの弟世間の彼氏以上にベッタベタじゃん。」
「それが何か問題ある?っていうか、お姉ちゃんに敬語使ってよ。あと『レイカ』って馴れ馴れしく呼ぶのやめてほしいんだけど。」
「仮にも俺は、お前のお姉ちゃんが所属する事務所の社長の子どもなわけ。発言は考えな、ガキ。」
僕が背が小さいから、くすっとあざ笑いながら体を屈めて僕と目線を合わせてそう言った。
…っ〜!!!こいつめっちゃ嫌い!
「ま、何回も言うけどマネージャーやるのは望んだことじゃねぇからさ?そんなに熱くなるなよ?がきんちょ。」
…こんなに人をむかつかせられるのすごくない?絶対マネージャーなんか向いてないでしょ!!
「とりあえずさー…これからのスケジュールのこと話したいから弟くんは静かに向こうに座ってな?」
「っダメ!お姉ちゃん、行っちゃうの?」
お姉ちゃんの腕にしがみつく。
「ええっ!?い、いかないよ!!」
放心気味だったお姉ちゃんに訴える。
「お姉ちゃん、僕がマネージャーならずっとそばにいれるよ。こいつぜーったい意地悪だし、お姉ちゃんのやなことたくさんしてくるよ!」