モデル姉さんのファンは弟くん

「圭、テストは行かなきゃだよ。」











「なんで…お姉ちゃんは僕がいなくてもいいの!?」











お姉ちゃんと一緒にいるなら、もうなんでもやるよ、甘えん坊でも駄々っ子にでもなんでもやってやる。











「どっどうしよう…?えとっ…帝くんちょっと、待っててくださいっ!圭、こっちきて!」










ん?なに…?












お姉ちゃんが僕の手を取って、別の場所に移動させる。












「…圭、お母さん心配してるんだよ?」











「だって…僕がいなくかったらお姉ちゃんとあいつ2人きりになるもん。絶対やだ。」










「圭はわたしの心配してくれてるんだろうけど、大丈夫!周りに人いるから、ね?早く帰るようにわたしも急いで頑張るから!」










お姉ちゃん自身だけじゃなくて、なんていうか…僕も不安なんだよ。









「っでも!本当に不安なんだよ、お姉ちゃんが僕以外の男の人と一緒にいることなんて、今まで一度もなかったじゃん!」











「じゃあ…テスト頑張れたらご褒美もあげるよ?今日わたしの方が早く終わったら迎えに行ってもらうしさ!ね、学校行こう?」










ん…?ご褒美…?










「…ご褒美って?」










「なんでもいいよ、圭のお願い聞いてあげる!」










「…じゃあ2人で一緒にお出かけしたい!」











「うん、もちろんいいよ?じゃあ学校行ってくれる?」










「…わかったよ。」











「わかってくれて良かった!今度一緒にお出かけしようね。…よし、お母さんにメッセージいれとこ。」












お姉ちゃんとお出かけという名の、お姉ちゃんとデート!!










お姉ちゃんとデートなんてめちゃくちゃ久しぶりだよ〜!











「…何度も言うよ?お姉ちゃんあいつにはくれぐれも気をつけてね?」










「ふふ、はいはい。」











そして迎えのタクシーに乗って、見えなくなるまでお姉ちゃんに手をふった。











テスト範囲は問題ないだろうし、タクシーの中ではお姉ちゃんとのご褒美デート計画を立てていた。

< 28 / 101 >

この作品をシェア

pagetop