モデル姉さんのファンは弟くん

「でも、これからはわたしのせいでもっと行けなくなっちゃうよね?」






「べつに玲蘭のせいとかじゃない。中退するつもりなんだよね〜。」






「ええー!?中退って…なんで!?」






「なんとなくで入っただけだし…「絶対ダメだよ、後悔すると思う!」






「玲蘭がそんな必死になんなくても…。」






「ほんと、絶対ダメだよ。社長さんがせっかく通わせてくれてるんだもん!」






「あー、はいはい。分かったって。」






不思議なんだけど。赤の他人なのにそんな心配するな。他人の進路とかどうでもいいでしょ。





ーー…そのあとは特に会話もなく、1時間が経とうとしたときだった。





「…ふわぁぁ。」





「大あくびじゃん。眠い?」






「…だいじょぶ。」





大丈夫って言う割には、首がかくんかくんしてるけど。






「30分くらい寝れば?」






「平気だよ。あと少しで終わりそうだし…。」






少しくらい仮眠とって休めばいいじゃん。






「起こしてやるから寝てろって。」







「お気遣いはありがたいんだけど…寝たくても寝れなくて……ちょっと少し顔洗ってくるね。」



 

…あぁ。そういえばそんなこと言ってたっけ。





すぐに玲蘭が戻ってきた……が。






「ど、どうしよ!帝くん服濡れちゃった!」






「はあ?なんでそんなびしょびしょになってんの?」






「わざとじゃなくて、ちょっと勢いが良すぎたみたいで…。」






「…ぶっ。あははっ!!」






「ええっ!?なっ、なんで笑うの?」

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