モデル姉さんのファンは弟くん

「お待たせしました…えっふ、2人とも怒ってる…?」










「だってこいつがお姉ちゃんのこと…。」










「はぁ〜うざ。ガキには何回言ってもわかんねぇってこと?仕事中に邪魔なんだよ、ガキ。」










「なんだ、わたしに怒ってるじゃないのか!よかった…っていや!!だめだめっ!け、喧嘩は!」












「「………。」」











あぁもう…この玲蘭のペース、拍子抜けする。さすがに玲蘭の弟でも面食らってんのか何も言わない。










「……はぁ。とりあえず、玲蘭はこれ進めてくれる?あと少しだから。」











「は、はい!」










ーーー…そんなこんなで、あれから2時間ほどが経ち、親父から言われいた内容の仕事は終えた。








「お姉ちゃんお疲れ様っ大変だったね。あっそうだ、みてみて〜!これ!こないだテレビみてて美味しそうって言ってたチョコ、あげる。」











「わ!ほんとだー!やった〜圭大好き!」










「ふふっ僕も〜!!」











しょーもな。たかがチョコで喜んで。









「なぁ、迎えきてんだからさっさとこいよ。」











「あっすみません…!んわぁ〜!すごく美味しいよ、圭も食べて!」









「いいの?じゃあ食べささて〜…あーん。」










「あはは、買ってくれたお礼にね。…はいっ。」










チッ…なんなんだよほんと、うっとおしい。










気にしている俺もおかしいけど。









「なぁ玲蘭。」









「…んっ?」









要件はなかったけど……呼び止めたくて名前を呼んでしまった。










え、どうしよ。なんも用事ないんだけど……と、玲蘭が振り向くとチョコが唇の端っこについているのに気がついた。








これもまたおかしいけど…。


 






…けど。








「…ちょっとこっち来て。」










「???」










不思議そうな顔をしながら俺の前に来る。










「…俺も甘いの好きなんだよね。」









指先でチョコを拭い、ペロッと味見。







「「!??」」










けど……悪戯したくなった。










「んー、まあまあじゃん。」










「ッお前…なにして……!!」










「……。」









ポカンと口を開けたまま、俺を見つめる玲蘭。










「ふはっ。なにその顔?直接舐めてやろっか?」









「な、なななっ何言って…、ちがっ違うよ!?」


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