モデル姉さんのファンは弟くん
「あーおもしろー。予想以上の反応だった。」
「そりゃビックリするでしょ!?だ、だっっ……だって!!」
「あははっ。だって何?…まあ早く乗れば?」
「帝くん、やっぱり危ない人。」
俺と距離を取って車に玲蘭が乗り込む。
「ねぇ。あんたさぁ人が嫌がってんの見て笑うとか…本当性格悪いね。」
玲蘭の弟が俺の襟をひっぱってそう言った。
「まぁね。」
「絶対許さないから。」
「あっそ。」
「…っ…ねぇお姉ちゃん。僕がちゃんと綺麗にする。」
「…え?どういう…ん…!?」
「うん、綺麗になった。」
なにしてんの?
玲蘭の口元をぺろっと舐めていた。
「けっ、えっ!?なんでっ……。」
「だってあいつにやられたまんまとか、ムカつくし汚いでしょ。あ、お姉ちゃん。顔赤いけど、僕にドキドキしてる?」
「うぁ、ああっ当たり前だよ!!!圭だって男の子だもん!!」
「…やば。お姉ちゃん…そんなこと言ったらダメだよ。」
「えっ?な、なんで?…分かる?」
っ…。なんだよ。
俺の顔を覗きながら聞いてきた。
「は?…知らねー。」
さっきまで警戒してたのに、いきなり顔近づけてくんな。
マジもんの天然だな。
天然というか、マヌケというか…こんなの初めて関わるタイプが初めてだから調子狂うわけだ、と考えていた。