モデル姉さんのファンは弟くん

「っ…!だ、大丈夫なのに…。」








玲蘭の手を握ると、さっきみたいに顔を赤くする。







恥じらいながらも手を離されることはなく、ひと安心。








ーーー……。







そのあとはフリーフォールみたいなやつに乗り、空中をぐるぐる回るものに乗ったあと、ゴーカートまでノンストップ。








「…さすがに一回ゆったりしたアトラクションいかね?」








「うん!あと残りはメリーゴーランドと観覧車に乗りたいな!!」







…どっちか真ん中に持ってきてくれると助かったな。








「じゃあ先にメリーゴーランドにしよ。」








メリーゴーランドまで向かう道を歩きながら隣を歩く玲蘭チラ見する。








遊園地なんてベタなデートスポットだし、他の女とは何度か来たことはあった。








正直うるさい場所だなと思ってあまり得意ではなかった。









玲蘭が喜びそうかなと思って選んだわけだけど……ぶっちゃけ、めちゃくちゃ楽しい。









こうして手を繋いでアトラクションの感想を笑いあって言いながら歩いているこの瞬間とか、すごく幸せを感じる。









まじでこの時間が終わってほしくない。








このメリーゴーランドだって、他の女と乗った時はやたら長いと感じたし、1人乗りしかねぇから1人で乗ってもつまんねぇなって思ってた。








けど、いまは前にいる玲蘭がちょくちょく笑顔で振り向いてくるのがたまらなく可愛いし、笑い返せばもっと玲蘭は笑顔になって。









玲蘭となら、なにしてもどこにいてもなんでも楽しく感じるんだろうな。








……もしここで俺が。









気持ちを伝えたらどうなる?









本音を伝えて今すぐに抱きしめたい。

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