モデル姉さんのファンは弟くん
なにこれ、可愛すぎるんだけど。
「…あいつはお前のこと、ペット並みに縛りつけてんな。」
「心配してくれてるからなんだけどね。」
「まあ、2人とも子どもだからな。」
「もう、また意地悪なこと……。でも、帝くん本当にありがとう。すぐ水族館行けるといいね!」
あぁヤバい。まじで今すぐ抱きしめてキスしたい。この数時間でさらに玲蘭にハマった。
めちゃくちゃ好き。
心臓の鼓動が早すぎて苦しい。
玲蘭に触れたい。
だけどここは電車…なんとか理性を保つため、話しながら電車に揺られ続けていると玲蘭が次第にウトウトし始めた。
「……それでね……。」
「眠いんだろ?」
「ううん、眠くないよ…。」
「寝れば?俺の肩にもたれていいし。」
「でも…帝くんと話してたい…。」
あーもう、なんでこんな可愛いこと言うかな。そろそろ我慢の限界なんだけど。
「身体休めるの仕事のうちだろ。」
「だから…全然眠くないもん…。」
「ふーん。寝ないと水族館連れてかねぇから。」
「ええやだ!…わかった、目をつぶるだけ…。」
こてんと俺の肩に顔を傾ける。
…なんの躊躇いもなく俺にもたれかかってきたな。
「帝くんのこと、怖い人だと思ってたんだけど、いい人だよね。」
「…いい人ねえ。」
目を瞑るだけと言っていたけど、小さな寝息が聞こえ、そっと髪を撫でる。
今日1日でとことん玲蘭にどっぷり魅了された。
出会った時には想像もできなかった、警戒心の欠片すらない表情がすぐとなりにある。
…あいつじゃなくて、絶対俺が独り占めしてやるから。
…シスコンなんかにやるもんかよ。