モデル姉さんのファンは弟くん
そう言い残し、さっき歩いてきた角を曲がり姿が見えなくなった。
「……母さんが余計なこと言うからっ!!ねえ!!お姉ちゃんどうすんの!?」
「外で騒がないの!はい、まず家に入る!」
お母さんが固まって動けないわたしと怒っている圭を家に押し入れる。
「信じらんない…お姉ちゃん、もうモデルやめよ?やっぱり危なすぎるよ、あんな奴がマネージャーなんだよ!」
「圭…心配してくれるのはすごく嬉しいけど……。」
「けど、なに?なんで?あいつと離れたくないの?お姉ちゃんもあいつが好きなわけ?」
「好きとかじゃないんだけど…圭が思うよりちゃんとしてるし、優しいんだよ?」
「…あぁやだ、おかしくなりそ…もうお姉ちゃんなんて知らない!」
階段を駆け上がって自分の部屋に入っていってしまった。
「まったくも〜…圭のお姉ちゃんが取られたくない気持ちもわかるけど、お互い色々経験しなきゃいけない歳になるしね。色んな人と関わるのは悪いことじゃない。大丈夫よ玲蘭、間違ってないわ。」
「お母さん…ありがとうっ。」
お母さんに抱きしめられほっとする。
だけど…圭とこんな感じで喧嘩するのなんて初めて。
どうしよう。大丈夫かな…?
…結局、圭はあの後晩御飯の時間になってもずっと部屋に閉じこもったままで会うことが出来なかった。