モデル姉さんのファンは弟くん
「こら、圭。好きな人にそんなこと言われたら悲しいでしょ?そんなこと言ったら絶対ダメだよ!ファンの方たちを大事にしなきゃ!」
「だって……。」
「レイカちゃーん、ケイくーん!一緒に写真撮ってくださいっ!!」
「は〜い!…ほら、圭一緒にいこ!!」
え〜?と言いながらもついてきて一緒に写真を撮りたいという子のところへ向かう。
「わぁぁやば〜!レイカちゃんめちゃ綺麗すぎるし、ケイくん可愛すぎる〜!」
その後もたくさんの子と写真を撮っていく。
気がつくとわたしは男性のファンの方へ、圭は女性のファンの方へと自然と流れて行っていた。
「ケイくん、一緒にハート作ってくださいっ!」
「……。こう?」
圭が女の子と近距離で話している。
そうだよね、わたしがファンの子には優しくって言ったから…普段圭が女の子と仲良く話すことなんてなかったから初めて見るこの光景に……なんだろう、この気持ち。
寂しい……?
ううん…寂しいとはなにか違う感じがする……それはわかるんだけど、うまく表せない。
仲良くしていて嬉しいなって気持ちになるかと思ったけれどそうじゃなかった…。
「玲蘭、なにぼーっとしてんの。」
「っ!?…み、帝くんか!びっくりしたぁ…!」
「疲れてる?あっちに日陰のベンチあるからちょっと休みな。」
「えっ、いや!ただ普通にぼーっとしてただけで体調が悪いとかじゃないよ!」