最初で最後の嘘





「あーゆーむーん。君は懲りてないね~乙女の思いを踏みにじるなんて殺されるぞ」



「浮気はやめた」



「とりあえず、歩。このシーツ変えてくれたまえよ。綺麗なシーツに」



 ころっと話を変える丹羽にビールを投げる。




「今朝、伊織が変えてた」



「それでも、何だか穢らわしいんだよ~。僕はここで心地よくビールを飲むためにはね」



 そんなことを言いながら、サイコーと叫ぶ丹羽にため息をこぼして、俺もビールを流し込んだ。























 その日はいつの間にか寝ていた。


 驚くほど自然に。


 夢の中を漂っていた。


 ふわふわと心地良く、俺は夢の中を漂っていた。


 良い夢が見られる予兆だ。


 ほら。




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