最初で最後の嘘
立ち向かう勇気
「ね?僕の言う通りにFXをやっていて良かっただろ?これなら、海外逃亡しても、暮らして行ける。なんなら、僕と一緒のところで働こうではないか」
「金融商品はリスクも高いだろ。まぁ、就職するかどうかはさておき、とりあえず飢え死にはないな」
世界中で名高い金融会社で働くことを決めた丹羽。
こいつが就職するとは意外だが、どうせ数年後には辞めていそうだ。
給料は良いし、海外ということで逃亡にもぴったりだが、俺としては、平凡にそこそこの給料で安定を求めたいところだ。
そう、瑞希と二人で平凡で安定に満ちた、どこにでもありふれたような生活を送りたい、そんな甘い夢みたいなことを思っている。
とんだ、メルヘンチックな脳だと自分でも呆れてしまう。