最初で最後の嘘
それは幼馴染に向ける親愛の情なのだろうか?
ここまでヒドいことをされて、それでも俺の心配をする瑞希。
違う感情があるのではないだろうか。
瑞希さえも気付かない何かが。
俺はそれに懸けた。
「そんなにメールを眺めて。まだ、返してないのかい?もう二か月も前のメールを宝物みたいに。女々しいな」
何て返せば良いのかわからない。
直接伝えたい。
ありがとうも。
ごめんも。
そして。
好きも。
直接伝えたい。
「君はバカだね。瑞希さんの結婚が決まる前なら、こんなことしなくて済んだのに。ふつーに告白して、一生懸命アプローチして。ふつーに付き合えて結婚できたかもしれないのに」
「そんな後悔は目が覚めた時からしてる」