僕は二度、君に恋をする
次のマキとの合わせの約束はそれから三日後だったが、約束の時間になってもマキは来なかった。
あの日あの夜、心配している旨メールしたが、返事はないままだ。
僕はひとり、マキが違法に確保した大部屋で鍵盤をなぞって時間を潰した。
部屋の予約は二時から四時。三時五十五分になっても彼女は現れなかったので、僕は譜面をトートに放り込んで、部屋を空けた。
帰るにはまだ早い。今日も“いつも”のように相手をさせられるものだと思っていたから、練習室は取っていない。
一応予約表を見たものの案の定空きなんてなく、けれど何となく帰る気もしなくて、僕は仕方なしに図書館に入った。