僕は二度、君に恋をする
4.カフェラテにシナモンを
翌朝六時。寝不足気味で痛い頭を無理やり起こして電話を手に取る。
マキは今日、一限ソルフェージュだから起こさなくては。あいつは絶対寝ているが、支度も人一倍遅い。
案の定寝ていたヤツを起こしてから、僕は二度寝をし、九時に再度起きてからさらった。
午後二時、大学に着いて、マキとの合わせのために四階まで登る。
ちょっと気恥ずかしそうにするマキに、かわいそうなほど容赦ない冷静な態度で接し、部屋の中の甘い空気を一掃してから三時のレッスンへ。
何たって試験前だ、甘さに酔っているようでは困る。僕の好きなマキは、自由奔放にクラリネットを吹くクールなマキだ。
レッスン後は、優しい言葉をかけるだけに留め、僕はおくつろぎの時間を断った。
自分もレッスンだ。こんなごっちゃごちゃの頭で行きたくなかったけれども、こればっかりは仕方ない。
ちょっとボロボロになりながらも、一時間のレッスンを終える。