ニセモノ彼女
「思わせぶりな態度が多い、ってこと⁇」
私は頷く。
「夏祭りで、浴衣着て行ったら "可愛い" って言ったりするの。
好きじゃない人に言っていい言葉じゃないよ……本当。」
「辛いなら、別れちゃいなよ。
……好きなのは、分かるけどさ。」
凛花の顔が陰る。
自分のことにかぶせて考えたんだろうな。
自分だったら、どうするか……とか そういうこと。
「ねぇ、寺岡さん こっちに来てもらっていい⁇」
クラスの中心人物的な怖い人たちにそう言われたから、私は頷いて 立ち上がった。
「待って、私の前だと言いにくいの⁇」
「杉原さんには、関係ないよね。
っていうことで、口出ししないで⁇」