Chat Noir -バイオハザー度Max-



―――


思春期。



思う春の期と書いて“思春期”


字自体を見ても何とも思わないのに、黒猫と二人きりを想像するとその言葉が妙に生々しく思えるのは何故??


構内のカフェテリアで一人コーヒーを飲みながら“思春期”の意味をケータイで調べてみる。


“青年期の前期。


第二次性徴が現れ、生殖が可能となって、


精神的にも大きな変化の現れる時期。ふつう12歳から17歳ごろまでをいう”


生殖が可能……


わ、わわ!!


私は慌ててケータイを閉じると、


「よぉ」


見慣れた影が頭上に落ちて、浩一が私の向かい側に腰を降ろした。


「よ」


私も短く返す。


「てか久しぶりだね。忙しい?」


「まぁねー。俺はこのまま院生として大学残るけど、そのときの論文とか…」


なんか大変そうね。


浩一は若干疲れを滲ませた顔で私の飲みかけのコーヒーを奪っていった。


浩一は疲れた表情から一転、ちょっと私を睨むように見下ろすと、


「朝都、最近服の趣味変わった?」


と私のカッコをじろじろ。


今日は黒猫のおうちでお勉強だし、


お勉強だけよ!!


なのに無駄にお洒落をしている私。


淡いベージュピンクのスカートに白いブラウス。


胸元に千鳥格子柄の細いリボンがあしらってる。


女の子~チックな格好だ。


「へ…変?」


思わず聞いてみると、


「変。いつもの朝都の方がらしいし」


と浩一はぷいと顔を背ける。


「全然似合ってないし。急に色気づきやがって」


浩一は面白く無そうにそれだけ言って席を立ち上がった。


何よ。


酷くない??まぁ浩一とは長い付き合いだしこんなん言われて凹むことはないけど~


てか最近浩一は会う度不機嫌そう。


論文が進まなくてイライラしてるのだろうか。


浩一が苛立ってるなんて珍しいことだけど。


ま、今は様子見るかぁ。





しかし



やっぱ私にはこんな女の子らしいかっこ似合わないかぁ。





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