Chat Noir -バイオハザー度Max-


私が指定したのは鶏肉と豆腐がウリのちょっとお洒落な和風ダイニングバーって感じのお店で


四人ほどが入れる個室だ。


「三名で予約している真田ですけど」と、迎えてくれた店員さん(若いおねーさん)に伝えると、


「真田さまですね。四名様で窺っておりますが。お連れ様はもういらっしゃいますよ」


四名??


私は思わず目をぱちぱち。


「あんた予約人数間違えんなよ」と黒猫にちょっと言われて、


あれ?三名って言ったはずなんだけどな~


と首を捻って考えるも、


「ご案内いたします」と店員さんに言われて慌てて後をついていく。


お店の奥の個室の引き戸を開けると、すでにみけネコお父様は席についていた。


お座敷の部屋で茶色いテーブルが真ん中に位置している。


そのテーブルにはやっぱり四名分のお箸と取り皿が用意されていた。


でも


間違いかどうかゆっくり振りかえって考える程の余裕はない。


みけネコお父様を目に入れた瞬間、


ピキッ


私の背中に緊張が走った。


「大丈夫かよ」


黒猫がちょっと心配そうに聞いてきて、私は「だ、大丈夫」ぎこちなく頷いた。


おしぼりで手を拭いていたみけネコお父様はリラックスした様子で、


「あれ、朝都ちゃん♪今日は大人っぽいね。そうゆう格好も似合うよ」とさりげなく褒めてくれる。


さすが大人!


しかし


「びっくりしたな。そんな格好で現れるなんて。


久しぶりにドキドキしちゃったよ僕」


と、にこにこさらりとイタリア男顔負けの口説き文句。


そろりと隣を見やると、


黒猫が額に思い切り青筋を浮かべてみけネコ店長を睨んでいた。


ぅうわ!


早速のバトル……?







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