Chat Noir -バイオハザー度Max-
飲み物を乾杯する前に、私はグラスをテーブルに置くと、
かしこまってミケネコ店長を真正面から見つめた。
い、言わなきゃ…
言うのよ!朝都!!
「どうしたの?」
さすがに私の態度が普通じゃないと気付いたのか、みけネコお父様がいぶかしむように目をまばたく。
すっ
私は畳の上に両手を揃えて、腰を折った。
女、真田 朝都。
二十二歳のこの日、お父様にぶん殴られる覚悟をいたしました。
「店長!いえっお父様!!
イチ家庭教師の分際で大変厚かましい申し出でございますが!
息子さんを、倭人くんを
私にください!!」
深々と頭を下げていると、
「はぁ!?」
黒猫が素っ頓狂な声を上げて、
「ちょっと!何言ってんだよ!!」と慌てたように私の肩を引き上げて体を起こさせる。
おずおずと顔を上げると、
「……“ください”って、いやいや…
ってか、倭人!お前まさか学生の分際で朝都ちゃんを孕ませたのか!?」
お父様は違った意味で真っ青。
今にも黒猫の胸ぐらを掴みそうな勢いで身を乗り出した。
は、孕ませたとな!
「お、お父様!落ち着いてください」と私は止めるのに必死。
「ち、違げぇよ!!
ってかまだ及んでもねぇっつの!」
く、黒猫っ!!
及んで…って!
何言い出すのーーー!!!
てか、なんなのこの展開は。