Chat Noir -バイオハザー度Max-
「説明する前に一つ。
倭人は弟と妹できるとしたらどっちがいい?」
ずいと身を乗り出して突如みけネコお父様は真剣な顔で黒猫に問いかける。
「は?何言い出すんだよ。
どっかから拾ってくるのか?」
そんな拾ってくるって…ネコじゃあるまいし。…て、二人ともネコか。
黒猫は真面目に取り合わず呆れたようにウーロン茶のグラスに口を付ける。
「んー。拾ってくるんじゃなくて、
“MADE IN僕”みたいな?ちなみに三ヶ月」
みけネコお父様は指を三本突き立てて、ぎこちなく笑う。
メイドイン……僕………
三ヶ月。
………
って、えぇ!赤ちゃんが!!!?
「ブーーー!!」
黒猫が飲んでいたウーロン茶を吹き出した。
「わっ!ちょっと倭人汚いよ」
と、みけネコお父様が顔をしかめ、黒猫はおしぼりで慌てて口元を拭う。
「てめぇ、飲んでもいねぇのにもう酔っぱらってやがるのか?」
黒猫はおしぼりで口を押さえながらみけネコお父様を睨む。
私だってその意見に同意だよ。
「酔ってないよー。ほら、君たちは君たちで仲良くお付き合いしてるみたいだから、
僕もそろそろ倭人の新しいお母さんを紹介したいなーと思って」
紹介って……
まさかと思うけど、あの一つだけ空いてる席は、まさか。
「お連れ様いらっしゃいました、どうぞ」
タイミングを見計らったように、引き戸が開いて
「お、お待たせいたしました」
来たばかりの私のときと負けず劣らず緊張した面持ちの、女の人がおずおずと顔を出した。