Chat Noir -バイオハザー度Max-



「紹介するよ。僕の新しいお嫁さん。


佐藤 カズミさん♪」


砂糖さんね……、いや違う“佐藤さん”ね。と思う程、甘い顔立ちのふわふわな美女だった。


歳は私の十ぐらい上かな。可愛いだけじゃなくて上品。


きっちり手入れされたつやつやな髪とか、品がある立ち居振る舞いとか、血統書付きのペルシャネコを思わせた。


「は、はじめまして!」


ペルシャ砂糖さんは慌てて頭を下げて、私たちも慌てて挨拶をした。


てか私、ここに居ていいの!


「こちらは将来僕の娘になる朝都ちゃん。そしてこれが僕の息子で倭人」


将来の娘!?


キャー!!なんて思ってる場合じゃない。


それぞれ紹介されて私たちはまたもぎこちなく頭を下げる。


「あ、あの…私お邪魔みたいですので…」と腰を上げようとすると、


「いいの、いいの。僕がそう仕向けたわけだから」


とみけネコお父様がひそひそ。


「だって倭人と三人だとカズミちゃんが倭人を怖がるだろうから」


倭人を怖がる……?


「ほら、こいつそっけない上、無愛想でしょ?目つきも悪いし。


お願いだから居て!」


と最後の方は懇願するように言われて、私はまたもぎこちなく頷いた。


ま、まぁ分からないわけでもないけど。


私だって懐かなかった黒猫を最初は毛嫌いしてたし。


毛嫌いなレベルならいいけど、このいかにもお嬢様的なペルシャ砂糖さんは考え込むかもな。


しかもみけネコお父様のお話によればどうやら妊婦さんみたいだし。


店長……それで禁煙…かぁ。







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