Chat Noir -バイオハザー度Max-
その後は何だか変な組み合わせで私たちは食事をした。
お豆腐と鶏肉がウリでおいしいって評判なのに、ちっとも味なんて分からない。
それはペルシャ砂糖さんも一緒だろう。一生懸命に黒猫に話しを振るも、黒猫は
「はい」とか「いえ」とそっけなく短く答えるダケ。
嫌らわれてるわけじゃなくてこいつはこーなの。
……だと思う。
正直私は黒猫が何を考えてるのか分からない。
でも
戸惑ってはいると思う。
私のすぐ隣に居る黒猫は、何かの存在を確かめるように時折不安そうに私の手を握ってきて、
私は安心させるために黒猫の手を握り返した。
―――みけネコお父様のお話によると、ペルシャ砂糖さんは、お父様のお店の取り引き業者の社長さんの娘さんみたいで、
もう三年ほどお付き合いしてるって。
子供ができたのは本当に偶然だったらしい。
それで結婚を決めたみたいだけど。
「てか、あいつ俺には朝都にわるさするな、とか怒ったくせに自分はちゃっかりってどーよ」
と黒猫は忌々しそうに顔を歪める。
「ま、まぁ。新しい家族が増えて良かったじゃない。きれいな人だし。優しそうじゃない?」
「…優しそうだけど、む゛~」
黒猫は唇を尖らせて小さく唸った。
「やっぱり朝都と似てる」
「えー、そっかなぁ」
「あの人もきれーだけど
やっぱり朝都の方がきれー」
…黒猫…
嬉しいけど、あんたも飲んでないのに酔っぱらってる??
でも
「朝都はきれーだよ?」
もう一度言われてすぐ隣に並んだ黒猫の指先が、またも正座した私の膝にちょっと触れて
やっぱり
嬉しい。