Chat Noir -バイオハザー度Max-
アパートのちょっと手前で降ろしてもらうと、私たちは近くのコンビニに入った。
「今日のビールが無くてさ」と私がビールのショーケースを開けると、
「は?あんたまた飲むの?」
と黒猫は呆れたように目を細めた。
「全っ然!飲んだ気がしないよ!緊張し過ぎて」そう勢い込むと、
「それもそーだな。俺も食った気が全然しねー」と黒猫が苦笑い。
じゃー今から何か軽く食べ直すか…ちょっとそう思ったけど、すぐに考えを変えた。
「あんたアルコールって大丈夫?」ちょっと聞くと、
「未成年に堂々と聞くなよ」とまたも黒猫は呆れ顔。
「今日だけは解禁。
あんたと一緒に――――飲みたい気分なの。
私の部屋で
飲まない?」
そう聞くと、
黒猫は目をぱちぱち。またもちょっと頬をピンク色に染めると、
「じゃー、こっちので」
と言ってビールの横に並んでいたグレープフルーツの缶チューハイを手にした。
それからスルメなんかをはじめとするおつまみを数種類買って、
私たちは手を繋いで部屋に帰った。
飲んでイヤな感情を忘れる。
なんて安易な考えだけど、でも今の私にはそれしか思いつかないし。
寂しかったり、苦しかったりする黒猫の気持ちを
一緒に居ることで癒してあげたい
そう思ったのだ。