Chat Noir -バイオハザー度Max-
私はびっくりした。
黒猫…泣いっ!?
ど、どぉしよ!
慰めるつもりが泣かせちゃったよ!
泣かせてみたい、って前にちらりと思ったケドいざそうなると私はとたんにおろおろ。
「だ、大丈夫。写真だってあるだろうし。そだ!お父様に聞いてみよう」
何の慰めにもなんないけど、そう言って黒猫の肩を抱きしめると、
黒猫はゆっくりと顔を上げた。でもその大きな目には涙はたまってはいなかった。
あれ??私の見間違い?
それどころか、
「なぁ、生まれてくるのは男かな女かな~」とまたもふわふわ笑って私の肩に頭を預けてくる。
「俺、きょーだいってはじめてだからちょっと新鮮」
「…そ、そう??そっか。私もはじめてだ!うん!
倭人の弟とか妹だったら私のきょうだいにもなるわけだし!」
拳を握ってちょっと強めに言うと、
「そーだよ」
と黒猫は素直に笑った。
笑いながら、すん…と鼻をすする。涙のあとは見えないけど
黒猫………やっぱり―――…
私がちょっと眉を寄せると、
「ここちょっと冷えるな。
ネコは寒いの苦手だから、ご主人さまあっためて♪」
またもにっこり無邪気に笑って黒猫は両手を広げて私をぎゅっと抱き寄せてくる。
私は黙ってされるがまま。
黒猫は抱きしめる以上のことはしてこなかった。
「朝都はあったかいね
俺があっためてあげようと思うけどさー
朝都にはいつもあっためられてる気がする」