Chat Noir -バイオハザー度Max-
黒猫は私の喚き声に顔をしかめて額に手を置く。
「…頭いてー。あんま大声出さないで」
「それは二日酔いと言うものよ」
私からしたら大した量じゃないけど、飲みなれない黒猫には多かったのかも。
まぁ私から誘ったからこれ以上は言えないけど。
「……二日酔い。これが…」
と黒猫は『なるほど』と言った感じで目をぱちぱち。
てか二日酔いな男子高校生って言うのもちょっとやだな。
それでもこの状況がどんな状態なのかようやく理解したのか…
「………ごめん…俺、また寝ちゃったみたい…」
うん。そりゃもうイイところで……パタンと
って!イイって言うなよ私!
ケータイで時間を確認すると朝の5時半を示していた。
私は頭を抱えている黒猫を置いてキッチンに向かうと、グラスにミネラルウォーターを注いで戻った。
「ほら。飲みなさい。シャワーでも浴びればすっきりするかも」
黒猫は顔色を悪くさせて額を押さえながら、無言でグラスを受け取る。
一気にそれを飲み込むと、
「気持ちわる」と言ってごそごそ、またも布団に逆戻り。
「ちょっとぉ。シャワー浴びて帰る準備。あんた学校でしょ」
私も学校だ。準備しなきゃ。
黒猫を急かすように布団を引き剥がそうとすると、
「…えー。今日は無理。二日酔いで無理」
と言って布団を引き戻して包まる。
「何甘えたこと言ってんの。学生の本分はお勉強することでしょ」
と布団をまたも引き剥がそうとする手を黒猫がはばんだ。
私の手首を握ると
ぐいっと引き寄せられて、その腕に抱きしめられる。
「朝都も一緒に寝てよーよ」
甘い声で囁かれて、それもいーかも…と一瞬思ってしまった。
ふわふわ可愛い黒猫と一日中あったかいお布団の中でまどろんでるの。
でも
「ダメ」
私は心を鬼にして起き上がると、
「ほら。さっさと支度なさい」
と強引に黒猫の腕をひっぱって起き上がらせた。