Chat Noir -バイオハザー度Max-
「頭いてー」とまだぶつぶつ言ってる黒猫を強引に立たせて私はバスルームに追いやった。
「ほら。シャワー浴びてシャンとしなさい。そしたら酔いも少しは抜けるわよ」
背の高い黒猫用に大き目のバスタオルを押し付けると、黒猫は大人しく頷いた。
黒猫がシャワーを浴びている最中、私は自分の準備。
歯を磨いて顔を洗って、いつもの“少しだけメイク”をして、髪をとかして…
いつもと変わりない日常なのに、
サー…
バスルームから聞こえるシャワーの音とか…
日常ではありえない光景に私はドキドキと落ち着かなかった。
第一彼氏を家に泊めるのは黒猫がはじめてのことで。
私のアパートのバスルームで、男の子がシャワーを浴びてる。
それを考えると、
何て生々しいの!
何もなかったとは言え、なんかリアル…
この先、黒猫は私のおうちに泊まりにきて、私が無理やりシャワーに追いやらなくても自分の脚で当たり前かのように浴びていく関係になるのだろうか。
……
いかん。
またも私のバイオハザードウィルスが活発化する。
これ以上変態危険因子を増やしてはならない。
と、言うことで気分転換も兼ねて私は黒猫の朝ごはん用に味噌汁を作ってみた。
黒猫が以前おいしいって言ってくれたお味噌汁。
かいわれ大根はもうないけど、代わりにわかめがあったからそれを入れた。
わかめ…たぶん黒猫好きだろうな。
あのふわふわ艶々の真っ黒な髪だから~
(※ワカメや昆布などヨウ素を多く含む食品は甲状腺の働きを助け、髪の発育を促進します♪)
あれでキライとか言ったら、あいつの髪の成分どーなってるのか知りたくなる。
一本貰って大学の研究室で分析してみるか。
………って。
やっぱりどうしても黒猫に考えがいってしまう。
しかも細胞レベルまで突き詰めようとしてる私、バイオハザード変態ウィルスは今日も休んではくれなさそうだ。