Chat Noir -バイオハザー度Max-
私は黒猫が手にした“ブラ”を奪って慌てて引き出しに仕舞いこむと、下から二番目の引き出しを開けた。
てか黒猫…意外にリアクションが普通だな。
いつも抱っこするだけであんなに赤くなってるのに。
刺激が強すぎて赤くなる通り越して、もはや無の境地なのか。
それとも二日酔いのせいで思考がまとまらない?
「ごめん。こっちだった…!」
慌てて引き出しからドライヤーを取り出すと、黒猫はやっぱり私のすぐ後ろに居て
上半身裸の状態で私の後ろから手を伸ばしてくる。
ギャァ!頼むから、ひっつかないでくれ!
「さんきゅーです」
「……う、うん」
「「…………」」
私たちは何故かカラーボックスの前にしゃがんだまま無言。
変な沈黙に耐えかねて、
「じゃ、じゃぁ私は向こうで味噌汁作ってるわね。あんたはしっかり乾かしてきなさいよ?」
苦笑いを浮かべながら、なるべく黒猫の方を見ないように洗面所を出て行こうとすると、
黒猫は力強い腕でぐいと引き寄せる。
いぶかしんで顔を上げると、すぐ真正面に黒猫の整った顔が。
真剣な顔でじっと見下ろされて私の方が顔を逸らす。
でもすぐ近くに迫った黒猫の体で視界のほとんどが遮られて、私の視線の逃げ場はない。
目の前に黒猫の…引き締まった裸が。
さっきも思ったケド黒猫…細いと思ってたのにきれいな筋肉ついてるし。
いや…でもやっぱ細いほうだよな。あれだ、細マッチョって言うヤツ??
なんて観察してる場合じゃないって、変態朝都。
「な、なんでしょうか!」
黒猫の裸を目の前に私の声が引っくり返った。
だけど黒猫はそんな私の動揺に気付かないのか
「あのさー」
といつもの調子で聞いてきた。